何を描くか

絵のこと

絵の前に立って 自分は何を描きたいのか 考える。
だいぶ下塗りは 重ねてきたし 色の感じもまあまあなところまで来ている。
しかし わかり切った人物や 説明的な線は 今までだいぶやってきて
もう自分の中では うんざりしているのだ。
何か 新しく ワクワクするような絵を描きたいと思っている。

人物 特に私は裸婦の群像のようなものを 描き続けてきた。
人物が 最初に在って その周りとのせめぎあいをやってきたが
そうしたくない。
わからないように 人物を連想するような形を入れ 全体が 壁のような
壁画のようなものを 造っていきたいのだ。
皆は 理解不能だというし 二つのものを同時に描くことは絵そのものを
弱めてしまうという。
弱くてもいいから 壁の様かなと思うと 人物が浮き上がってくるというような絵にしたい。
無理だろうか。

何を描くか という問題がある時は クロッキー帖に 何枚もアイデアというか
心の中を デッサンする。
本当に 自分は何を描きたいのか 心の中にある隠れた自分を
さらけ出す方法では 自由なクロッキーやデッサンが 一番いい方法だ。
自分のこころが はっきりするまで 時間をかけるのだ。
そのうちに 描いている線が そうではないとか 違うというように
わかってくる。
言葉のような心の声が 迫ってきて 感動なのか涙が出てきてしまう。
心にしまっていたものが 忘れてきたものが ひとつづつ現れてくる。

純粋なもの 哀しくて訴えてくるもの 叫びたくなるもの 湧いてくるもの
形にはならなくてもいいから 自分の一番いいものを 見つけることだ。
人物や 形あるものや 自然を 自分なりの表現で写生のように描く人もいる。
それでも それが自分の描きたいものなら それでもいいが
もっと自分に迫るような 感情豊かな絵を 私は描いていきたい。

                            2025・4・17

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